天皇杯決勝「京都サンガF.C.vsFC東京」観戦記

史上初となる「J2クラブ同士」による対決は、総合力で優ったFC東京が、勢いで勝ち上がってきた京都を凌駕し、ある意味「力の違い」を見せつけた格好になりました。
焦点は、リーグ戦終盤において驚異的な運動量で次々と勝利を積み重ね、天皇杯でもここまで鹿島やマリノスを撃破してきた京都を、FC東京がどう迎え撃つか・・・という按配と見ていました。
そして、お互いが「自分達のサッカー」を貫こうとしていましたが、最終的には「地力の差」が如実に出てしまった印象かと。当初は京都の先制でそのまま勢いに乗るかと思いきや、FC東京がすぐさま同点に追いつき、その後得点する度に京都の「心を折り」にいくような感じになっていったように見え、時間が進むにつれて本来なら京都の攻撃がますます激しくなるはずが、連動性を欠いてFC東京の梶山と高橋に中盤を支配されて思うように攻撃の形を作れなくなってしまったあたりが、結果として4-2のスコア結果に出てしまったものと捉えています。

そんなFC東京の「京都イレブンの心を折る」かのようなゴールラッシュの立役者は、やはりルーカスでしょう。
一度は引退を決めた身でありながら、オフサイドぎりぎりの所から抜け出すタイミングと高い決定力は、ガンバ移籍前に何度となくFC東京に勝利をもたらした全盛期の動きそのもののように見え、今のFC東京にとっての「絶対的武器」ともなっている、そんな印象を受けました。
もちろん、今のFC東京にはルーカスを何とかしても谷澤や石川、羽生が後方に控えていて、単純にルーカスを抑えれば・・・という訳にはいかないなど、攻撃陣の層の厚さもFC東京の強みでしょうが、それでもルーカスの決定力には一目を置かざるを得ないでしょう。
一方、京都は結果としてDFの秋本を出場停止で欠いた影響は否定できない、との見方もできますが、セットプレイの対応(先制点となった今野のゴール)などで見ると、そこはFC東京のほうが上手だったとも見える感じも。しかし、秋本がいればルーカスが裏を取れるかどうか?という見方もできなくはなく、そこは正直分からないところですかね。ただ、普段はサイドバックの安藤を添えてはみたものの・・・という感じになってしまったのは残念だったかもしれません。
しかし、攻撃陣の方は本当に素晴らしいという他なく、ドゥトラがいれば彼のゴリ押しから周囲がフォローしてゴールを窺い(中山の先制点がそんな感じだった)、ドゥトラに代わって久保が出てくれば一層連動した多彩な攻撃を織り成してくるその様は、2012年のJ2で対戦する他クラブにとって大きな脅威と映るのは必然、というところでしょう。残念ながら勝利は逃しましたが、2012年シーズンのJ2において強烈なインパクトを残したのは間違いありません。

ともかく、京都も奮闘しましたが、FC東京が上手だったという感じに終わった今回の決勝戦。
こうしてみると、いろいろな意見は出てくるでしょうけど、現在はJ2でもJ1と遜色なく厳しい戦いで揉まれて強くなれるというのを証明した一戦だったと思います。
ただ、闇雲にJ2を戦い抜くのではなく、しっかりと「先」を見据えながらチーム全体を強化していく「ブレない精神」が、J2で結果を残してJ1でも上位で活躍できるものと考えていかないと、やはり足元をすくわれる結果になるでしょう。ここ数年の間で、柏や仙台、セレッソが活躍して、横浜FCや札幌、甲府、湘南などがあっという間に降格の憂き目にあったのは、「先」を見据えるプランの違いなのでしょう。
そこへ来て、今回の優勝でJ2優勝と合わせて「二冠」となったFC東京がJ1(とACL)でどう戦うか。監督は大熊氏から前町田監督のポポヴィッチ氏に替わりますが、くれぐれも2011シーズンの戦い方から「ブレない」よう願いたいところかと。
何にせよ、意義とかクラブの総合力とかいろいろ考えさせられたものだった今回の決勝戦でしたが、単純に見ても多くのゴールが生まれたことは見た目にも面白く映り、また両チームが真っ向勝負でぶつかったのが「面白い試合」という風に映ったのではないでしょうか。
シンプルに、見に行って損のない試合だったと思います。

| テーマ:第91回天皇杯全日本サッカー選手権大会 |ジャンル:スポーツ | その他国内サッカー関係 | 22:50 | comments:4 | trackbacks:2 | TOP↑

ジョカトーレ・F「」(05/06-23:21)
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