66回目の広島原爆忌は、はたして「新章」への転換となるか?
これは個人的思いなのだが、今回の原爆忌は様々な意味で「転換期」というか、「新たなステージへの転換」とも思える様な感じである。例えば、53年ぶりに広島カープ主催試合を今日この日に行なったり、広島市長も秋葉前市長から松井市長に変わっている。
そして、何よりも東日本大震災にかかわる福島第一原発事故によって、それまで「核兵器」への批判にやや限定された感のある議論が、今回は「原子力」というか「核」全般に言及する向きとなり、原子力行政の在り方をも問うものとなったのは、当然といえば当然の流れかもしれない。そう思ったものである。
<広島原爆の日>「脱原発依存目指す」菅首相があいさつで
毎日新聞 8月6日(土)11時10分配信
菅直人首相は6日午前、広島市の平和記念式典でのあいさつで東京電力福島第1原発事故に触れ、「これまでの『安全神話』を深く反省し、原因の徹底検証と安全性確保の抜本対策を講じ、原発への依存度を引き下げ、原発に依存しない社会を目指す」と表明。「今回の事故を人類にとっての新たな教訓と受け止め、世界の人々や将来の世代に伝えることが我々の責務だ」と強調した。
首相は事故について「放射性物質の放出を引き起こし、我が国はもとより世界各国に大きな不安を与えた」とする一方、「事態は着実に安定してきているが、多くの課題が残されており、今後も全力で取り組む」と収束への決意を示した。
また、首相は冒頭で「広島を襲った核兵器の惨禍を二度と繰り返してはならない。究極的な核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向け、憲法を順守し非核三原則を堅持することを誓う」と語った。
後述する「平和宣言」においては、宣言の「序盤」に例年の如く「原爆の悲惨さ」が描写されるものとなっており、そこから核兵器廃絶に向けたメッセージを盛り込む事が常であったが、今年はさらにエネルギー政策の転換にまで言及するものとなっている。
また、菅首相も「原発に依存しない社会を」と発言している。
元々核兵器は、その破壊力と強大な「エネルギー」から発せられる放射能の恐怖から、これまでの間に様々な議論が交わされ、そんな中でも「危険」を承知での「核武装論」が展開され、当然ながらそうした論理への反発も、広島や長崎で語り継がれた被爆経験などからすれば「とんでもない」という趣旨でなされたものであった。
そこへ、今年の場合は原発事故によって「放射能への恐怖」が日常社会に多大な不安を与えている現状が加わり、「核(原子力)そのもの」に対しての反発、あるいは抵抗感が色濃く打ち出されたものだと、自分は思ったものだった。
それでも、昨日は石原都知事が「核武装シミュレーション」の持論を打ちあげるなど、元来からの「核武装」論者や、原子力政策を強く推し進めた人達からすれば、今回の平和宣言とか、「核への批判」に対してもどこ吹く風という感じに、ひたすら「現状維持」に務めているかのように見えたりもする。そこが、個人的にもどかしい思いをしてならない。
正直なところ、原子力政策という名目で「核の平和利用」というのは、「放射能への恐怖」の観点からすればとっくに限界を来たしてしまったように思えてならない。今もなお食料品への放射性物質検出のニュースが喧しく言われ続け、放射能汚染の危険が隣り合わせの生活を強いられている今、そこで現行政策を「継続させる事」自体に強い違和感を抱かざるを得ない。それ故に、菅首相の言う「脱原発依存」となると、短期的にはともかく中長期的展望を見据えるとすれば、何とも頼りないというか腰砕けな感じもしてしまう。
自分としては、原発を「すぐに無くせ」というのは、代替エネルギーの他に、原発を抱える自治体の地場産業等への影響を考えると「とても無理」と考え、しかしいずれは「脱原発」をめざすためには、中長期的展望をハッキリと示してレールを敷いてしまいたい、そんな思いを持っている。
そう考えると、欲を言えば松井市長にも菅首相にも、もっと「核不拡散体制の構築」とか「脱原発社会」に向けて強いメッセージを発してもらいたかった、という思いもする。
そう考えると、事の大きさを考えれば当然ながらそう簡単に「転換を迎える」ことは容易ではないだろうけど、国や自治体、企業のトップ連中ばかりを当てにするより、自分達がそうした社会を築き上げるために何をしていくか。そうした事を念頭に入れて行動していく事が、今後本当に「核不拡散」とか「脱原発」へ転換していく「大事なこと」なのかな、と改めて考えた次第である。
| テーマ:「原発」は本当に必要なのか |ジャンル:政治・経済 | ニュース・時事 | 21:47 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑















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